• 日本語
  • 中文
  • English

活動報告

ホーム > 活動報告 > 2008年度 > 交流会

2008年度

第8回交流会(第2回財団卒業式および祝賀会)を開催

1.日程

2009年3月22日(日)

2.目的

東京マラソンにおいて、ランナー、ボランティアおよび沿道応援という形で参画することで、奨学生どうしの交流を深めると同時に、チームワークと協力しあうことの大切さを学ぶ。
また、奨学金の受給を終えた29名の竜の子奨学生の前途を祝して、財団役員・選考委員や寄付者・支援者の皆さまとともに、壮行の言葉を贈り、激励する。

3.参加者

(1) 東京マラソン
54名(うち 奨学生:47名、財団役員・選考委員:3名、寄付者・支援者:4名)

(2) 財団卒業式・祝賀会
113名(うち 卒業生:28名、奨学生:20名、奨学生OB:2名、財団役員・選考委員:16名、寄付者・支援者:47名)

4.スケジュール

(1) 東京マラソン

1.10kmコースランナー

7時00分 京王プラザホテルに集合
9時10分 都庁前スタート
10時33分 日比谷公園にゴール

2.ボランティアグループ

8時00分 東京メトロ丸ノ内線西新宿駅または都営新宿線曙橋駅に集合
8時30分 沿道整理、清掃、ランナー応援
11時00分 ボランティアグループ現地解散

3.沿道応援グループ

8時30分 東京駅八重洲南口に集合
9時30分 日比谷公園に集合、ランナー応援
10時33分 ゴールしたランナーと合流

(2) 理事長講演会

15時00分~16時00分 京王プラザホテル本館42階「富士」

(3) 第2回財団卒業式

17時00分~18時00分 京王プラザホテル本館43階「ムーンライト」

(4) 祝賀会

18時00分~20時00分 京王プラザホテル南館4階「扇」

5.東京マラソンのスナップ

 

理事長と4名の奨学生が、いよいよスタート地点へ移動します

 

肌寒い中、ストレッチをしながらスタートを待ちました

 

私達は応援します「走れ走れ、風を感じて」

 

あっ、理事長達だ!「完走を目指せ、頑張れ」

 

いよいよフィニッシュの地点、日比谷公園です

 

無事ゴールした5名のランナーと一緒に記念写真!

6.第2回財団卒業式

(1) 式次第

・ 卒業生入場
・ 理事長式辞
・ 卒業生からのビデオメッセージ 北海道大学大学院 朴 性昱(韓国)
・ 卒業記念品贈呈
・ 送辞 奨学生代表 慶應義塾大学 宋 寿蓮(中国)
・ 答辞 卒業生代表 東京工業大学大学院 アズハニ ビンティ イスマイル(マレーシア)

(2) 理事長式辞

本日の卒業式をもって、財団として初めて採用した奨学生の全員を送り出すことができました。交流会を通して皆さんとの思い出が深く、大変寂しい思いをしております。

さて、私には皆さんに持ち帰っていただきたいお話があります。皆さんはこれから苦難や挫折に直面することがあると思います。しかし、人より大きな夢を目指す人はその分、人より大きな苦労、挫折があると思って今後立ち向ってください。

そのために、「理」と「利」の追求、つまり理念を追求して利益を得て、理念を追求することによって幸せを得てください。決して後者の「利」を先行させずに自分たちの理念を持って幸せになってください。心の豊かさ、身体的豊かさ、経済的豊かさ、この3つをバランスよく保ちながら今後の道を歩んでください。

式辞を述べる秋元理事長

(3) 卒業生からのビデオメッセージ

<解説>

卒業生のひとりである朴 性昱君は、北海道大学大学院修士課程を卒業し、母国韓国で就職することになりましたが、韓国は3月入社となっていため、残念ながら本日の卒業式には出席できなくなってしまいました。そこで、朴君から、心をこめたビデオメッセージがおくられてきました。

<ビデオメッセージ(全文)>

竜の子奨学生の皆さん、こんにちは。北海道大学の朴性昱です。まず、このたび、大学を卒業される奨学生の皆さん、卒業おめでとうございます。本当は、この喜びを皆さんと一緒に分かち合い気持ちでいっぱいなのですが、私が2月末から韓国で働くことになりまして、最後の交流会には出られなくなりました。そのため、このような形で皆さんにメッセージをお伝えすることにします。

皆さんとは7回の交流会を通じて、本当に楽しい時間と、本当に充実した時間を一緒に過ごすことができて、本当によかったと思います。ここでお別れするのは非常に寂しいですが、これからも、きっといつかどこかでまた会えると思いますので、その時まで元気でいましょう。

また、竜の子奨学生と出会えるチャンスをつくってくださった竜の子財団の秋元理事長をはじめとする財団役員の皆様に、本当に感謝いたします。

これからも竜の子奨学生の名に誇りをもって、毎日精進して参ります。
本当にありがとうございました。

朴性昱君からのビデオメッセージ (北海道大学にて)

(3) 送辞(全文)

財団を卒業する竜の子奨学生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。今日、私はここで奨学生の代表としてお祝いの言葉を述べさせていただきます。

卒業する皆さんとは昨年の贈呈式で初めて出会い、今日を含めて4回の交流会を通じてお互いを知ることができました。そして、その交流を経ていくうちに私の財団に対する考え方は徐々に変化していきました。

私はこの奨学金の意義は、財団の支援者の皆様に支えられた奨学金であること、秋元理事長がいつもおっしゃっている「世界平和の実現」に向けて、私たちが努力していかなければならないこと、そして、竜の子奨学生という「仲間」ができたという事にあるのだと考えるようになったのです。

皆さんは日本での留学生活の間、多くの出会いがあったと思います。「出会い」の中で最も大事なのは、その出会いを大切にし、永遠に続けていくのかどうかという事です。竜の子奨学生は全国の大学から集まった、色々な国のさまざまな専門分野をもつ留学生ですから、これから世界に羽ばたいていく私たちにとってきっと大切な仲間になります。卒業生の皆さん、これからも竜の子奨学生としての誇りを忘れずに、将来世界で活躍するであろう竜の子奨学生の仲間との絆が深め、大切にしていきましょう。私たちも、今後一年間、学業に専念しながら、同じ竜の子奨学生としての絆を深めていきたいと思います。

卒業生の皆さんの今後のご健康とますますのご発展、ご活躍を心からお祈り申し上げるとともに、私たちを支えてくださっている秋元理事長や廣田常務理事をはじめとする関係各位の皆様と寄付者の皆様への感謝の気持ちを表することで、今日、財団を巣立ってゆく先輩たちへの、私の送辞とさせていただきます。卒業生の皆さん、ご卒業、本当におめでとうございます。

平成21年3月22日
奨学生代表 宋 寿蓮

送辞を述べる宋 寿蓮さん

(5) 答辞(全文)

秋元国際奨学財団と出会ってから2年間。この出会いにより、私たちが日本への留学を決意したときに描いた夢が挫折しかかっていたところへ、改めて希望をもたせていただいたことに、感謝の気持ちでいっぱいです。それだけでなく、交流会を通じて、新しい仲間ができ、貴重な経験と暖かな思い出がぎっしりとつまった竜の子奨学生としての2年間でした。その交流会の思い出が今も私たちの胸によみがえってきます。

贈呈式の後、私たち第1期竜の子奨学生にとって初めての研修旅行である箱根観光と柔道体験があって,夜遅くまで、みんなと話したり、笑ったり、カラオケで歌ったりして、楽しい時間を過ごしました。こんなに仲良くできて、次の交流会で会うことをずっと楽しみにしていました。その後は、野球観戦、富士登山、相撲観戦があってまた新たな思い出ができました。

全て素敵な思い出ですが、私にとって、一番印象に残っているのは富士登山です。お互い助け合って、一人も脱落せず、全員が山頂まで登りつきました。その時、私の重い荷物を山頂まで支えてくれたり、寒さに耐えられない私に上着を貸してくれたり、宗教上の理由で食事に制限のある私にお弁当まで分けてくれた竜の子奨学生の仲間がいて、一人一人の心の暖かさをものすごく感じました。また、下山後に私が体調を崩したときに、秋元理事長が本当に心配してくださって、「大丈夫?」、「頑張ってね」と励ましていただき、その言葉で私は間もなく元気になりました。こんなに素晴らしい友情と暖かいお心遣いをいただいたことは、とても幸せで、かけがえのない一生の宝物となりました。

そんな私たちを見守ってくださった皆様へ、卒業生を代表致しまして、メッセージを送らせていただきます。

この2年間、いつも暖かく見守ってくださった秋元理事長をはじめ、財団関係者や寄付者の皆様。経済的な面だけでなく、精神的な面もご指導いただき、私たちが社会でどう生きるべきかということまで教えてくださいました。私たち留学生にとっては、まるで親のような大きな存在です。これから私たちは財団を卒業しますが、第1期竜の子奨学生として、財団の期待に答えられますよう、自分の専門分野で活躍するとともに、世界平和の実現に向かって、頑張り続けたいです。また、秋元国際奨学財団の暖かさと素晴らしさを、全世界に広く伝えていきたいと思います。

そして、引き続き竜の子奨学生として残る皆さん。財団を卒業する私たちは、この2年間の交流会を通じて、やっと親しくなれたと思ったら、今日で最後になってしまいました。信じたくないぐらい寂しく感じていますが、私たち卒業生は、これからも一生の仲間として、その優しさ、暖かさ、力強さを決して忘れません。そして、皆さんには、来年以降に入ってくる竜の子奨学生の後輩たちを見守りながら、この素晴らしい出会いを大切にしていただきたいと思います。

私は、間もなくマレーシアに帰国してしまいますが、今日はお別れではなく、皆様方といつかきっとまた会える時がくると信じています。帰国しても永遠に竜の子奨学生として、この絆をずっと守っていきます。

終わりに卒業生を代表致しまして、秋元理事長をはじめ、財団関係者や寄付者の皆様に心から感謝申し上げます。今まで本当にお世話になりました。

これからの皆様方のご健康とお幸せを心から祈りまして、答辞と致します。
本日は、どうもありがとうございました。

平成21年3月22日
卒業生代表 アズハニ ビンティ イスマイル

秋元理事長から卒業記念品を贈られるアズハニ ビンティ イスマイルさん

スピーチを真剣に聞く卒業生

7.祝賀会

(1) 式次第

・ 理事長挨拶
・ 祝辞 理事 小川 進吾 様(財団法人産業医学研究財団理事長)
・ 祝辞 来賓代表 ヴィバウ・カント・ウパデアーエ 様(インドセンター代表)
・ 祝辞 寄附者代表 小林 英一 様(大建ビルテクノ株式会社代表取締役)
・ 奨学生代表からのお礼の挨拶 東京外国語大学大学院 余 筱秋(台湾)
・ 祝辞および乾杯 評議員 山下 泰裕 様(東海大学 体育学部長)
・ 歓談
・ 卒業生代表挨拶(4名)
・ ご挨拶 来賓代表 松田 正一 様(早稲田大学大学院教授)
・ お開き

(2) 奨学生代表からのお礼の挨拶(全文)

秋元理事長、ご来賓代表ならびに、ご寄付をくださった皆様方、貴重なお言葉をいただいてどうもありがとうございました。このような心に響く励ましのお言葉から私たち竜の子奨学生は、皆様方に暖かく支えられていることを改めて実感しております。さて、大変僭越ではありますが、本日、竜の子奨学生代表として、皆様方にご挨拶させて頂きたいと思います。

去年、私が竜の子奨学生として採用されてから、そろそろ一年になります。私の生活に、さまざまな変化をもたらした重要な一年間でありました。最も大きく変ったことは、留学生として常に悩み続けてきた経済的な問題、それはアルバイトと勉学との両立に苦心することなのですが、そのような困難が、財団の奨学金によって解決したことでした。これは、理事長をはじめとする大勢な寄付者の皆様方の温かいお心があったからこそ実現できたのです。本当にありがとうございます。

現在のような世界的規模の不景気という非常に困難な状況の中でも、私たちは依然として財団からしっかりと支えられて、自分の夢を追い続けられるような恵まれた環境が与えられております。このように心強いサポーターの存在があることに、再び感謝したいと思います。個人的な話ですが、去年の11月、私は初めて念願の海外での研究発表ができました。財団のサポートがあるからこそ、安定した環境の中で研究を続けることができ、実現した夢の一つです。ほんの小さな一歩ではありましたが、これからも研究に対して力を尽くしもっとがんばっていきたいと思います。

また、財団が企画してくださった竜の子交流会に参加した経験は、私にとって大きな出来事でした。他の奨学金をいただいたことがありますが、このように経済的な側面以外のものを、留学生の私たちのために、積極的に取り組まれている財団はなかなかありません。特に、今までの竜の子交流会に、投入された多くの予算とエネルギーに深く感銘しております。学業の面だけではなく、さまざまな国籍とさまざまな専門分野の竜の子奨学生たちと親しくなれることは大変貴重な機会であり、その時に得られる「私たちは竜の子奨学生である」という強い連帯感は、財団からいただいた大切な大切な宝物です。

さらに、交流会を通して、秋元理事長、財団関係者、支援者の皆様方から伝えられた情熱と強い精神力は、おそらくこれからの長い道のりの中で、人生における貴重なお手本として私たち竜の子奨学生を励まし続けてくれると思います。

本日、財団を卒業する竜の子奨学生と、引き続き学業を続けていく竜の子奨学生は、これからも、さまざまな問題と課題に向き合っていくと思いますが、「竜の子奨学生」としての信念と誇りを忘れず、財団で学んだことを生かしてそれぞれの場で活躍できるようにがんばっていきたいと思います。

以上、奨学生代表としての挨拶とさせていただきます。これからもどうぞご指導いただきたくお願い申し上げます。本日は、本当にありがとうございました。

平成21年3月22日
奨学生代表 余 筱秋

(3) 卒業生代表4名の挨拶(全文)

1.京都大学大学院 ユリアハティ リサ(インドネシア)

みなさんこんばんは、19年度に採用された竜の子奨学生、インドネシア出身のリサと申します。まずは、大学や大学院を卒業する皆さん、卒業おめでとうございます。学生生活はもうすぐ終わろうとしていますね。私も、もうすぐ学生ではなくなり、嬉しいなぁ、これからが大変だなぁ等、様々な気持ちが混じって、正直、よく分からない気持ちです。私を含めて、卒業する奨学生の皆さんは、大学生活を振り返ってみると、数え切れないほどの苦労を経験したと思います。例えば、論文をうまく書けないときとかは、何でこんなに頭が悪いのかと思ったりして、すごく落ち込んだときもあったと思います。でも頭が悪いのは自分ひとりだけじゃないから大丈夫です。私もですから。そして、やっと論文を書き上げたのに、もしも誰もほめてくれなくても、その分の努力だけは自分自身でほめましょうね。もし自分自身でほめることができなかったら私がほめてあげます。このように時々自分をほめながら成長していきましょう。

そして、留学生活をこれまで支援してくださった秋元理事長を初め、財団関係者や寄付者の皆様に感謝の気持ちを述べたいと思います。「いつも私たちのことをご支援していただいて、本当にありがとうございます!」

さて急なことですが、私は次の土曜日にインドネシアへ帰国することになりました。思いで深い日本にいられるのはあと一週間となり、なんともいえない寂しい気持ちでいっぱいです。実は、私は大変幸運なことに財団から成績などを評価していただき、あと一年間奨学金を延長するというお話をいただいていたのですが、個人的な理由で、それを辞退しなければならなくなりました。数年前から父が病気で定期的に病院に通っているのですが、最近病状が悪化し、体調がとても弱っていると連絡を受けたのです。父は「いつ死ぬのかは分からないけど、とにかくリサに近くにいて欲しい」と延々と言っているそうです。私は大変迷っていました。大学に残り、自分の夢を追っていくことはとても大事だと思いますが、父の病状も無視できません。父は、私のことを一生懸命に応援してくれたのに、私はこれまで父のために何もしてあげられませんでした。そこで私は、今回は最後の機会かもしれないので、父の願いを叶えてあげたいと思い、大学を中退して、帰国することを決断しました。最後まで父の面倒を見るつもりです。

このようなことにはなってしまいましたが、帰国すると決断した以上、どんなことがあってもインドネシアでの生活を前向きに考え、頑張っていきたいと思います。私は将来、インドネシアの文部科学省の大臣を目指します。インドネシアの子供たちにただで勉強できる環境を作りたいです。そのときは、ぜひ皆さんからのご協力をお願いしますね。

とくに、秋元国際奨学財団には今よりもっと大きくなって欲しいです。私が大臣になったら、財団とのコラボレーションということで応援をお願いすることになると思います。そのときは是非是非よろしくお願いします。  

以上、私からのご挨拶といたします。本日は、どうもありがとうございました。

2.一橋大学大学院 朴 敬玉 (中国)

竜の子奨学生になってからあっという間に一年が過ぎました。お陰さまで、この一年間はもっと勉学に専念することができましたし、多くの竜の子奨学生と交流することもできまして、寄付者の皆様、秋元理事長をはじめとする財団関係者の皆様には心より御礼申し上げます。

100年に一度とも言われる経済不況のため、いつも話題になっていた地球温暖化の問題よりも、最近は定額給付金の問題ばかり報道されていたような気が致しますが、そのように景気が冷えているなかで、月15万円の奨学金をいただけるということはどんなに幸せなのかほんとうにしみじみと感じた一年でもありました。

また、交流会では、贈呈式、富士登山、会報の編集、東京マラソンでのボランティア活動などたくさんの経験をすることができましたが、やはり一番印象に残るのは第6回交流会の富士登山でした。初めての富士登山でしたが、素晴らしいご来光を目にすることができて、本当に感動しました。一生忘れられない思い出ができました。その登山のときのことですが、たぶん理事長はお忘れかもしれませんが、足下のおぼつかない私を心配されて、ステッキを貸していただいたので、ほんとうに助かりました。いまも心が温まる私だけのささやかな思い出です。

今日、国際交流が深まる一方で、世界各地では紛争が絶えず、歴史に対する認識の違いから様々な国際問題が起きています。交流会を通して、相互理解の輪をもっと広げていくことが、国際問題に対する一番良い解決策であるということを学びました。竜の子奨学生はもちろん、財団関係者の皆様との御縁はこれからもずっと大切にしていきたいと思います。

わたしは博士学位を取得するために引き続き、大学院で研究に専念したいと思います。将来は、日本・中国・韓国の東アジア経済交流史の分野において、世界一の研究を目指したいと思いますので、これからも御声援のほうどうかよろしくお願いします。

本日は、本当にありがとうございました。

3.東京芸術大学大学院 ジョシ サワン (ネパール)

こんばんは、ネパール出身、東京芸術大学のサワン・ジョシと申します。私たちは竜の子奨学生としての一期生でもあり、財団と一緒に過ごしたこの2年間は私たちにとって非常に貴重な経験となりました。財団の奨学金のおかげで、勉強や生活がスムーズに進み、将来、どんな道に進んでいくのかを冷静に考える余裕ができ、その結果、私たちは自分で選んだ道に進むことができたと思います。

個人的なことですが、母国ネパールは発展途上国であり、経済レベルがとても低いので、音楽を専門的に研究する大学機関もないし、海外に行って音楽学みたいな特殊な専攻を選んで研究するというのは一般のネパール人にとっては夢みたいな話です。僕自身も、もしこの財団の奨学金をもらえなかったら博士課程までは続けられなかったかもしれませんし、海外に行って音楽について研究する唯一のネパール人になれなかったかもしれません。最初は音楽というのは楽しむことだけだと考えたのですが、日本にきて音楽について研究や演奏活動をすることによって、音楽というのは文化を表すものでもあり、人間と人間、国と国をつなげる大切な道具でもあると知りました。そして、その道具を利用しながら、卒業後も、音楽を通じてネパールの文化を紹介しながら、世界的レベルで活躍したいと思っています。

皆さんと初めてあった時にはお互いに全く知らない顔でしたし、皆それぞれのバックグラウンドを持っていたのでお互いに緊張感もありましたが、いつの間にかはお互いに兄弟みたいに感じ、財団も親と同じような存在を感じてしまいました。このようにできた立派な家族には今の場を借りて「さよなら」というのはとても寂しいことですが、実はこれは終わりではなく、これからは本番の道に移り、それぞれ皆さん一人一人が国際関係を深めて世界を立派な家族につなぐために重要な役割を演じることを信じています。

最後に、私たちは日本でこんな恵まれた環境で勉強や貴重な経験をさせていただいたことをいつまでも忘れません。それは秋元理事長をはじめ、常務理事の廣田さん、財団に関わっているすべての皆さん、寄付者、先生方、直接間接に応援してくださった皆さんのおかげであり、心から感謝しております。

本日は、どうもありがとうございました。

4.京都大学大学院 温 允(中国)

みなさん、こんばんは。京都大学のオンインと申します。まずは20年度の卒業生を代表いたしまして、この一年間暖かいご支援くださいました秋元理事長をはじめとする財団関係者と寄付者の皆様に、心より感謝の意を申し上げたいと思います。

私も、他の竜の子奨学生と同様に、日本で経済的に厳しい生活と戦ってきて、一番困っているときに財団の奨学金をいただきました。そして、この一年間は財団の支援により安心して生活できました。大学での研究がうまくいって学会発表にいけました。就職活動がうまくいって、富士通に就職できました。しかし、生活が安定しすぎたせいか、専門知識がだいぶ増えたと同時に、体重もだいぶ増えました。そしてこの一年間の交流会で、竜の子奨学生の仲間と一緒に富士山に登りましたし、うまい桃も食いました。大相撲も観戦しましたし、東京マラソンも応援しました。大変楽しい時間をすごしました。しかし、楽しみすぎて、ひどい目にもあいました。「こんな楽しい財団に自分が奨学生として採用されるためには、就職した夫がいたらまずい」という理由で、今年結婚するつもりだった彼女は、私との結婚を延期することになったのです。

本題にもどります。私たち卒業生は今日で財団を卒業します。そして、卒業生全員が社会に出て自分の夢の実現に向けて頑張り始めるでしょう。私は富士通の無線通信関係の研究所に入りますが、将来は、その無線通信技術を用いて社会の弱者を支援する事業を興したいと思います。今の中国は、通信技術の発展が日本などの先進国により大部遅れていて、携帯電話をはじめとする通信機器は、まだ一般庶民が使えるほど安いものではありません。私は将来、財団で学んだことと自分の専門知識をいかして、中国の国有会社の独占を打ち破り、中国をはじめ世界中の貧しい人でも利用できる通信プロバイダ会社を作りたいと思います。これは、相当に難しい目標だと覚悟しているので、会社の名前はハードバンクでもいいかなあと思います。

このような形で財団に恩返しするのが、今の私の夢です。秋元理事長、今まで本当にありがとうございました。これからもどうぞご指導をお願いいたします。

以上、私からのご挨拶といたします。本日は、どうもありがとうございました。

祝辞
理事 小川進吾様(財団法人産業医学研究財団理事長)

竜の子奨学生の皆さん、将来を見据えて、夢を持ち、いつも明るく楽しくそういう気持ちで、これからの人生を歩んでいただきたいと思います。

祝辞と乾杯のご発声

評議員 山下泰裕様(認定NPO法人柔道教育ソリダリティー 理事長)

今日二つのことを感じました。一つは竜の子財団の理念或いは理事長の思いが深く奨学生の心に伝わっていることです。もう一つは理事長と奨学生間の非常に強い絆があることです。このすばらしい財団をこれからもずっとずっと続けていただきたいです。

祝辞
来賓 ヴィバウ・カント・ウパデアーエ様(インドセンター代表)

私もかつて留学生として、一つ日本で学んだことは、いくら大変になっても、解決する方法は絶対にあるということです。

卒業生から秋元理事長への千羽鶴

私たち卒業生の心はずっと秋元理事長及び竜の子奨学生たちと一緒です。

祝辞 寄付者代表
小林英一様(大建ビルテクノ株式会社代表取締役)

自分の専門分野を追求していきながら、竜の子の理念のことと世界が一つといったようなキャッチフレーズをいつも考えていきながら頑張っていただきたいと思っています。

卒業生から廣田常務理事へ感謝の花束

日頃の生活に関する多くの有意義なご意見、ご助言をいただきまして、心より感謝いたします。

閉会の言葉
松田正一様(早稲田大学大学院教授)

「人育て」ということがどれだけ大事なのか、今日改めて感じました。

29名の卒業生の皆さん、おめでとうございます。今後ますますのご活躍をお祈りします。

ページ先頭に戻る